家族の老後

「遺言」は口頭で伝える。終活を考えるすべての方へおすすめします。

「遺言」は紙だけじゃない。むしろ「遺言」は、子供達に直接伝える方が伝わるのかも。義理父の覚悟の「遺言」を聞いて、寂しいけど、素晴らしさ実感。

今までの状況

義理父は85才。同い年の義理母がここ数年、認知症でだんだん物忘れが激しくなっていたのですが、ご飯の支度から何から、全部義理父がお世話していました。

私は昨年4月、コロナが心配で二世帯住宅を出て、セカンドハウスとして購入していたマンションに移り住みました。長男である旦那さんは単身赴任で月一回しか帰ってきません。

当初コロナが落ち着いたら、二世帯住宅に戻るつもりでした。が、マンションの方が子ども達の通う学校への利便性が良い点などがあり、別居から4か月後、2人の義理姉へ、二世帯住宅には戻れないと宣言。

現在の状況

今年に入り、義理父は急に体調が悪くなりました。原因は心臓と、腸の不調です。病院に行っても出来る治療は無いと、入院はおろか、たいした薬も出ない状況です。

これが体の老化なのか、ほとんど食べられなくなり、辛うじてトイレは行けるのですが、寝ている時間が長くなりました。

寝ているだけといっても、決して安らかにではなく、お腹の痛みやだるさが伴っていて、見ているのも辛い状態です。人なのだから、せめて痛みが取れる薬だけでもあったらと思います。

とうぜん義理母のお世話は出来なくなり、2人で施設の入居も検討した方がいいのでは?と、本人が子供たちに告げました。

介護をどうする?

義理姉2人は、コロナ渦の今、施設に入ったらほどんど会えなくなるので、来られる時は来て介護してあげたいと言っていました。嫁の私は、積極的にかかわるつもりはありませんでした。嫁より娘の方が、父も母もストレスが無いと思ったからです。

「遺言」を伝える為、子供とその連れ合いを招集

義理父は、自分は食べられないし、思うように動けない。年内もつかわからない。遺産の事で、みんなに話しておきたい事があると、旦那さんを含む子供3人とその連れ合い、合計6人に集まるように言いました。

その事を言われた時、「そんな事言わないで、また元気になるよ~。」って、とっても寂しい気持ちになりました。

「遺言」を子供達と連れ合いで聞く

義理父は、自分の歩んできた人生、奥さんである義理母に苦労をかけた事など、私は今まで聞いた事がなかった自分の話をしてくれました。

若い時は病気がちで苦労したので、あんまり資産を残してあげられないと言っていました。その上で、預金・不動産、すべて子供たちに見せました。もちろん葬儀の希望も話してくれました。

私が一番気になっていた、土地はお義父さん名義、建物は旦那さん名義の二世帯住宅をどうするかも、ハッキリとお姉さんたちに、長男の旦那さんに相続させると言ってくれました。

なんだか涙が出ました。今は別居していますが、二世帯同居を20年してきました。嫌いで家を出たわけではないです。でも、一緒に住んでいればいろいろとありました。それでも私も孫の子ども達も、おだやかな義理父と母の事は大好きです。

口約束は「死因贈与」になる

とは言え、書面がない「遺言」は口約束になります。口約束は「死因贈与」の条件を満たさなけらばならないそうです。

①証人がいるかどうか。

②実際に相続する時、兄妹全員に実印を押してもらえるかどうか。

この2つの条件をクリアしなければならないようです。兄弟みんなで聞いたので大丈夫でしょう。参考になった記事です。

両親の預金の使いかた

不動産以外の預金を、足りるかわからいけど、自分達の介護施設の費用にあてて欲しいと希望していました。子供に介護で迷惑をかけたくないという、子供思いの義理父の言葉はとても重いものでした。もちろん当然です。

でも本当は家にいたい。牢獄のような老人ホームには行きたくないというのが本音でした。ならばと、兄妹で交代で介護出来るなら、やれるだけやってみよう!って事になりました。

当然、姉たちが来られない時は、嫁の私も手伝う事になりました。ここで沸いた気持ちは、不動産を相続させてもらえるなら、頑張らなくちゃ!ってがぜんやる気になったのです。

もうひとつ、介護施設に入居した場合、相続する預金が目減りします。そう、相続できるであろう資産が減る事になります。なんとももったいない。

実はこの日、お義父さんが持っていた現金を、預かるという名目で、兄妹3人ですでに分けたのです。もし施設に多額なお金がかかれば、その預り金からそれぞれ出す事になります。

結果:介護は無理ない範囲で、兄妹みんなで!

お義父さん、なんとも上手に子供達を説得した結果になりました。介護でにっちもさっちもいかない状況になるまで、兄妹みんなで見守る事に決定しました。

もちろんそれは、両親が一番望んでいる事でもあるし、兄妹が相続する資産が無駄に減らない為でもある為、ウィンウィンな介護になったのです。

もちろん使える介護サービスは使って、姉たちが実家に通う交通費や、両親の食事代・医療費などの経費は、預金から出す事になり、ひとまず一番上の姉が管理する事になりました。

まとめ

いかがだったでしょうか?口頭での「遺言」が、これからの介護の事につながっているとは、まったく想像していませんでした。両親が穏やかな老後を過ごせるのが、子供としても一番の願いです。

人は必ず死にます。その最後の時に、いい人生だったと思いながら旅立ちたいものです。どこまで出来るかわかりませんが、出来るだけ協力しながら、自分の終活も考えていきたいと思います。

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